スタイリストとして現場にいる頃は、スタイリストは皆100%私と同じ技術でお客様に接してほしいと考えていました。
ブローはこう、カットはこうと言うように。
そして美髪屋としての統一感みたいなものを作りたかった。
だけど今は、自由でいいんじゃないかと考えるようになりました。
私がカットの基礎を習った頃は、下からカットしていくことが基本で、徹底的に技術を磨きました。
そして技術が身についた頃だったでしょうか、お客さまの顔を見ただけで、
「トップだな!」というようなヒラメキが浮かび、いきなりトップからカットをしたり…。
また「この辺りが重いな。」と思えば、そこからザクっと始めたりするようになりました。
つまり一番気になるところからカットを始め、デザインを広げていったのですね。
下からカットという基本を超えることができたとき、「自由だな!」って初めて実感できたのです。
だから30を過ぎたころから、カットが楽しくて仕方がありませんでした。
ここを切ればゼッタイ可愛くなると分かるから、そこからバシッと切っちゃうんです。
「ほら、イイ感じでしょ!」と、お客さまを少しドキッとさせて…。(笑)
しかし今までにない自分を発見されたお客さまの喜びは、私にとっても大きな力に繋がっていきました。
それまでは自分のカットに納得がいかないし、思い切ったことをしてお客さまを失望させたくなかったので、
基本から外れることがとてもコワかったからです。
だからこそ基本を超えたときの快感は、美容師を続けて良かったと思った瞬間でもありました。
ウチの子たちにもこの快感を、ぜひ味わってもらいたいと思います。



